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ロックスターよ永遠に

ロックスターよ永遠に

はじめに

この記事は著者が自身の趣味ブログ「ワタロー奮戦記」で5月2日に公開した記事の転載です。

1992年

 

桜の頃も過ぎ間もなく
大型連休を迎えようとする4月25日。
若者のカリスマとして世を熱狂させた
一人のロックスターがこの世を去りました。

 

尾崎豊です。

 

当時私は尾崎豊を名前しか知らず
何処かで耳にした事のあるはずの彼の有名な楽曲すら
私の心には まだ鳴り響いてはいませんでした。

 

しかし当時の友人の一人が彼の熱烈なファンで
その友人のあまりの落胆ぶりに尾崎豊というアーティストに興味を持ち
何枚かアルバムを聞いてみるようになりました。

 

なるほど。確かに若者の(特に十代の)
心に響く様な歌詞と悲哀に満ちた歌声だ。
もっと早く知っていれば私も
彼らと同じように熱狂していたかもしれない。

 

しかし彼の歌が心を打てば打つほど
私には一つの疑問が湧いていました。

 

なぜこれほど若者の心をつかんだ
ロックスターがファンを裏切るような
死に方をしてしまったんだろう。
そして若者たちは自分たちを裏切った尾崎豊を
なぜこれほどまで純粋に哀悼しているのだろう。

 

ましてやファンの中には悲観のあまり
後追いで自らの命を絶つ者すら少なからず出ているという。
その様な事態を引き起こした尾崎豊という男に対して
悲しみと同時に怒りはないのだろうか?

 

私の尾崎豊への熱は一過性のものに終わり
やがて私にとっての尾崎豊という存在は
「かつて時代を築いた一人のアーティスト」
という言わば当たり前の存在に落ち着きました。
我が事のように涙を流していたその友人の心情は
理解出来ぬままに時は流れました・・・。

 

1998年

月日が流れそんな出来事も遠い思い出となった6年後。
私は図らずもあの時の彼の心情を
自らの事として痛感させられる事になりました。

 

元X JAPANのギタリスト。hideこと松本秀人の死です。

 

1997年大晦日の紅白歌合戦を最後の舞台にX JAPANが解散し
同時進行してきたソロプロジェクトがいよいよ大輪の花を
咲かせようとしていた1998年5月2日の出来事でした。

 

自身三枚目となる集大成のアルバムのレコーディングも佳境を迎え
先行シングルのプロモーション活動で精力的にメディアにも露出していた最中
その信じられないニュースは 連休で浮かれていた私の脳天を貫きました。

 

ドアノブに掛けたタオルで首を吊った姿で 婚約者に発見された彼。
今においてもあれを自殺ではなく事故だと主張する人も多くいます。
X JAPANのYOSHIKIもテレビ番組に出演した際
「彼はそういうタイプではない」 と彼の自殺説を否定していました。

 

しかし彼の死自体にはなんら事件性はなく客観的に見れば
衝動的な自殺であるという事は疑いようもないと思われます。

 

学生時代からXと、そしてhideと
共に過ごしてきた私には全く理解できない死でした。
彼から教えられた生き方 「常に前を見て歩く」
というその道を否定されたような心境でした。
しかし不思議と怒りはありませんでした。

 

ただ喪失感。
まるで宙に放り出されたような。
暗闇の中で突如明かりが途絶えたような。

 

その後、既にレコーディングを終えていた
「ピンクスパイダー」と「ever free」の
二枚のシングルは当初の予定通り発売され
彼の死のセンセーショナルな報じられ方と共に
かえってメディアへの露出は以前にも増して多くなっていきました。

 

当然私もすぐに二枚のシングルを購入し貪るように聞きました。
しかし彼の曲から流れるポジティブなメッセージは以前と全く変わらず
私はまだどこかで

 

「彼が死んだなんて悪い冗談なんじゃないか?」

 

「暫くしたら『休養してました』とか言って活動を再開するのではないか?」

 

と彼がまたあのシャイで優しさにあふれた笑顔を
見せてくれるのではないかと夢想していました。

 

そして冬を迎えて

そしてそれから半年ほど過ぎた同年10月21日。
未発表曲「HURRY GO ROUND」が発売されました。
hide自身の歌によるデモテープの音源しか残っていなかった楽曲を
彼の仲間たちがレコーディングして完成させた彼の遺作です。

 

私は悲しいどころかむしろ彼の新曲がまた聞ける喜びに
浮かれるような気持ちで発売当日にその曲を聞きました。
カーステレオから流れてきたのは
彼には珍しくスローテンポな優しいイントロでした。

 

 

 

廻る 廻る こま切れの記憶の奥で瞬く
涙も雨も 砂に飲み込まれて

 

急ぎ 廻れ 砕けても 儚く散るが故にも
今を待たずに 廻れ Hurry merry-go-round
生き溺れても また春に会いましょう

 

春に会いましょう

 

うたまっぷ 無料歌詞検索より引用

 

嗚呼!hide!

 

君はもういないんだ。

 

僕は君を何もわかってなかった。

 

君がその強さと優しさの裏で

 

どれだけの孤独や苦悩と戦っていたのかを。

 

君は僕らを裏切ってなんかいなかった。

 

僕らと同じように、悩み・足掻き・もがき

 

それでも前に進む事の大切さを

 

歌っていただけなんだ。

 

僕らは先を歩いてくれた君に

 

危うく自分達の人生の責任まで

 

押しつけてしまう所だった。

 

TUTAYAの駐車場で買ったばかりのCDを流して

 

一時間ほどは呆然と涙を流したでしょうか。

 

私にとって彼は決して

 

ブラウン管の向こうのロックスターではなかった。

 

道を照らしてくれた先輩であり

 

強く優しい兄であり

 

・・・同じ時間を生きた友でありました。

 

分かったよ。やってみるよ。

 

君はもういないけれど

 

自分の足で信じるように歩いてみるよ。

 

やるだけやって、精一杯生きて、

 

そして俺もいつか土に還る時が来たら・・・

 

また春に会おう。hideちゃん。

 

それまでは・・・

 

今を待たずに 廻れ Hurry Merry-go-round!

 
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